七転び八起き

観劇記録、ハロプロのこと。たまにLGBTとお仕事の話も。

旅先(世界一幸せな国デンマーク)で女性の生きやすさを観察してみた

初の海外一人旅で感じたことシリーズ第二弾。女性の生きやすさについて。
デンマーク旅行時、長く住んでいる現地ガイドさんにお話を聞いて、圧倒的に日本より働く女性が生きやすそうということを感じた。なので今日はそのことについて語ってみる。


※第一弾は同性婚のこと。こちらもよかったらご参照あれ~ 

ao-re.hatenablog.jp

 

デンマークの女性の生きやすさ


デンマークに行ってまず気づいたのは、朝8時前の早い時間から、自転車の前かごに子供を乗せて疾走している女性や男性がとても多いこと。(クリスチャニアバイク、というらしい)

greenz.jp

 

もう少し詳しく聞いてみるとこんなことを仰っていた。

・みんなが朝早く、帰りは残業せずに帰るから、子供がいてもいなくてもあまりキャリアや仕事の仕方に差がつかない

・どうしても短い時間で働かざるを得ない時期はもちろんある。でも、子供がいるカップルが会社内に何組もいるので、「お互い様」で助け合っている。(ここはものすごく日本と違うよね。子供のいる人は申し訳なさそうに帰るし、酷いところだと職場の女性同士で譲り合って、子供を産む時期をずらせって無理なことを言い出す上司すらいる)

・男性ももちろん普通に育児・家事に参加する

・子供を産んでも職場復帰するのは当たり前。なぜなら税金が高くて共働きでないとやっていけないから。

・介護で仕事を辞める人もほとんどいない。介護は地域行政の仕事。介護サービスがとても充実している。子育てに関しても同じ。保育園が足りないなんてことはないし教育費も無料。

日本人からしたら、羨ましい限り。そもそも国が、小さな国だからこそ女性を「いち納税者」として重要視しているということだと思う。女性にもしっかり働いて稼いで納税してもらう、そのために育児や介護のサポートをする、という考え方で社会全体が形作られているように感じた。

デンマークでもある、女性の生きにくさ

でも決してデンマークがユートピアだというわけではない。例えば、こんな理由で。


・離婚率は相当なもの。2009年の調査では45%が離婚するという結果。下記の書籍では、「デンマークの女性はみな働いているので、育児や家事に協力的でない夫とは一緒にいる意味がない」という趣旨のことが書いてある。デンマークですら、家事や育児に積極的ではない男性がいるということだ。(まあ日本男性の比じゃないと思うけど) 

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 ・残業はなくても、一部の人は仕事を持ち帰って家でやっている場合もある(とはいえ、日本は一部の大企業や先進的ベンチャー以外はIT化があまり進んでいないし、その上コンプラは厳しくなってるから、そもそも持ち帰り仕事できる環境もない場合もあるけど)

 

日本との前提の違い

 

まあ、決していいことばかりじゃないことはわかるけど、それでも日本の女性の働きにくさを知る身としては、羨ましくなるような環境。
ただ、日本が同じことをそのまま導入できない理由もあるんじゃないかなーと思う。

 

・そもそも資源があったり(デンマークは原油や天然ガスが取れる)、そもそも国土が小さくて昔から国際的に仕事をせざるを得なかったりするので、国がとても豊か

・その一方で国民は少ない。日本で言うと兵庫県くらいの人口で、首都のコペンハーゲンも神戸くらい。確かに歩いていても東京とは全然人口密度が違う。なので、高福祉でも養いやすい。

・まだ勉強中なのだけれど、社会の作り方自体が大きく違うように思う。税制もそうだし、育児や介護や、それにかかわる人の認識もそう。例えば日本だと専業主婦は配偶者控除などで専業主婦であることが優遇されている。デンマークのように「いち労働力」とこれまでみなされてこなかった。育児も介護も「女性の仕事」かつ「自己責任」。一方で、デンマークはそれは「国や地域の仕事」という認識がある。

日本の「女性活躍推進」がデンマークから学べること

では、日本人は何を学ぶべきか?なにを取り入れられるのか?
私は、この3つだと思う。

①「みんなが」残業をなくし時間生産性を上げる働き方をめざす

これはいうまでもなく、政府がやろうとしている「働き方改革」の中身に近いところ。
日本企業がいかに生産性が低く、「つきあい残業」の文化が根深く、「過労死」という言葉すら生み出すほど従業員を働かせるのかは、いたるところで語りつくされているのであえては語らない。
その状況に問題意識を持っている人は多いけれど、改善できたとは言えない会社がとても多い。「残業したくない人はしなければいい」という話もよく聞くけれど、それじゃ問題は解決しないと私は思う。


この同調圧力が極めて高い国で、周りが残っているのに残業しないことは、当然ながら評価にも関わってくる。人事部や上司がたとえそれを否定したとしても、特に男性が、「子育てのために早く帰ります」なんて不安なく言い出せるはずがない。


デンマークのように「みんなが」あまり残業せず、家庭生活も仕事も大事にできる体制作りはとても大事だと思う。 

 

②家庭での役割分担の意識・行動改革

「家事は女の仕事」思考の男性は、ずいぶん減ってきたと思う。表面上は。
でも、「結局仕事が忙しいといってちょっとした手伝いしかやらない」
「上司から女性だけが『旦那にご飯作ってやってんの?』と聞かれる」というふうに、未だに男女の役割分担は笑っちゃうほど固定的。
働き方改革と同時進行でここが変わっていかないと、
結局大変な思いをするのは女ばかり、の状況がなかなか変わらないと思う。

 

③少なくとも育児と介護の行政サービスはもっと増えてもいいのでは

デンマークのように「子供は国や地域が育てるもの」という境地に至るには、あまりに前提が違いすぎるけれど、すくなくとも今問題になっている「保育所問題」「介護問題」はもっとやりようがあるのではと思う。ここは語りたいけど完全に知識不足、勉強不足なのでフローレンスの駒崎さんの記事おいてきます。この記事のあとも政府発表の緊急対策に対して点数をつけてみたり、非常に勉強になる記事が多いのでおすすめ。

 

www.komazaki.net

 

おわりに

働き方を変えるとか意識を変えるとか、聞こえはいいけどじゃあ具体的にどうするのか?ここはもっとこれから考えていきたいところ。

そして、じゃあ福祉国家デンマークではなく、日本社会に生まれてしまった私たち女性は、じゃあどう生き延びていけばいいのか? ここもまだまだ、私自身の問題として思考の途中だ。

でも少なくとも、若い日本人女性の友人で働き方や生き方に悩んでいる人がいたら「専業主婦はやめときな。稼げる力はつけとくに越したことはないよ」と言いたい。

 

 

※2014年の世界経済フォーラム(WEF)の調査によると、デンマークでは世界で唯一女性の平均収入が男性を上回ったらしい。(ただし同じ仕事で比較すると女性の賃金は男性の71%)  下記のリンクの図でも日本とデンマークは天と地ほどの差。

第1-特-12図 賃金総額男女比の国際比較 | 内閣府男女共同参画局

 

そして、「もし余裕と興味があるなら、こういうこともっと学んだり話したりしようよ」ということも言いたい。
デンマークでの子育て・介護しやすい制度だって一朝一夕にできたわけではないっていうことは、旅を通して感じたもう一つのことだ。女性運動の最中、「世界三大がっかり」で知られる人魚姫像が国際女性デーにペンキで塗られたということをガイドさんがおっしゃっていた。それを眺めながら、「デンマークの女性も戦ってきたんだなあ」と感慨深く思った。もちろん、日本の女性が昔よりはずいぶん生きやすくなったのも、戦ってきた人がいるからだと思う。
だから私も、少なくともその歴史や、今起こってる問題について、学ぶことと発言し続けることはやめずにいたい。それが私自身の人生も、より生きやすくしてきたのは間違いないしね。