七転び八起き

観劇記録、ハロプロのこと。たまにLGBTとお仕事の話も。

作品にハマるかどうかは心の抉られ度合いと世界観に浸れるかどうかで決まる

舞台作品に心を抉られたい

10月11月としばらく観劇のない時期が続いていたのですが、ようやく何日か前から今年最後の観劇ラッシュが始まりました。でも「楽しいけど最高!っていうほどではないなぁ〜」と思ってしまっていて。終わった後にずっとその作品のことを考えてしまうようなハマる作品と、そうでないものの差について考えていました。

すると、おそらく、

  • 「心を抉られる」=ショッキングな展開や自分自身に照らし合わせて深く共感する展開がある
  • 「世界観に浸れる」=唯一無二の世界観が確立されている、舞台装置等が世界観にぴったりあっている、演技や演出に違和感がなく集中して見られるなど

という二つの掛け合わせた度合いが高いものにはハマるという法則に気づいたんです。

 

心を抉られた作品たち

じゃあ私が心を抉られて、かつ世界観に浸れた作品ってなんだろうと思い返してみました。 

TRUMPシリーズ

アニメ・漫画好きなら必ずハマるといわれるTRUMP沼。見事にはまりました。おすすめ作品を聞かれたら大体このシリーズのDVDを押し付けます。ブログ開設前の作品だったので単独で感想を書いたことがないのですが、大好きな作品です。(あとで一本ずつ感想記事書きたいなあ)
簡単に紹介すると、シリーズ1作目のTRUMPは吸血種のギムナジウムで起こる騒動と、その中心にいる伝説の存在、TRUMP(True of VAMP=はじまりの吸血鬼。不死で最強の力を持つ)の物語。誰でも不死には憧れるものですが、TRUMPの不死の力に惹かれた繭期(人間の思春期みたいなもの)の吸血種たちが運命を狂わされていく話です。何度も再演されている作品なんですが、私はDステ版が一番好き。舞台装置や衣装がいいし、照明は最高、そして演者さんが役とまさに同じくらいの見た目年齢なので、世界観にどっぷり浸れます。

ネタバレゼッタイダメ!な作品で、後半、ストーリーの見え方がガラッと変わりますし、登場人物一人一人の生きてきた軌跡とか苦悩とかを考えずにはいられない、悲劇的なラストに本当に胸を抉られます…!おすすめ…!

Dステ 12th「TRUMP」 TRUTH [DVD]

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 で、一作目を見たうえで2作目LILIUMを見るとさらに絶望が深まって最高です。単品でも楽しめますけれどぜひ連続で見てほしい。わたしの大好きなモーニング娘。とスマイレージ(現アンジュルム)が出演しています。本作は繭期の子があつめられた女子寮で、誰も覚えていないシルベチカという女の子の存在を、たった一人だけ覚えているリリーという女の子が主人公。シルベチカの謎を追っていく中で女子寮に潜む驚愕の真実が明らかになっていくというお話。真実を知った後のリリーの行動がまた衝撃的なのですよね…!TRUMPもそうだけど一人一人のキャラが濃くてまたよい。

演劇女子部 ミュージカル「LILIUM-リリウム 少女純潔歌劇-」 [DVD]

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そして三作目SPECTER。これは一作目TRUMPに出てくるガ・バンリさんの過去話。怪しい教団と世間を騒がせる吸血事件の謎を追っていく作品なのですけれど前2作と同じく暗く妖しい雰囲気とキツイ展開のラストが魅力。

Patch stage vol.6 「SPECTER」 [DVD]

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 三作すべて、濃厚な死の匂いが漂う作品なんですけれど、死を描くことで、逆に生に惹かれ欲望する人間の浅ましさ、いとしさ、切なさが際立って、その強烈なコントラストが心を抉ってくるんですよね。もうほんと、大好きです。演出家の末満健一さんはこういう作品が大得意で、Equalという二人芝居(錬金術やホムンクルスがモチーフとして出てくるのでこれもオタクホイホイ)もTRUMPシリーズと同じ意味合いで大好きです。

パラノイア★サーカス

今年の春に見たパラノイア★サーカス。江戸川乱歩作品の登場人物の力を借りた完璧な世界観に没入するのが心地よい作品。素敵なセットと演技力の平均値がなかなかに高い最高のキャスト陣、かわいいけどどこか過剰で狂ってる衣装、もうそれだけで引き込まれるのにストーリーも最高。不思議なサーカスの謎とともに後半明らかにされる主人公の心の揺れ動くさまに、観ている側の人間もつよく心動かされます。
わたしは本作を見たタイミングが、会社を辞めたばかりで気持ちがぼろぼろの時だったのもあって、自分をどんどん追い込んでしまう主人公の姿に心が抉られっぱなしでした。ハッピーエンドであるのもいい。すごく素敵な作品です。

パラノイア★サーカス [DVD]

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ClubSLAZY

今年はSLAZYについては散々語ったのでもうあまり語りませんが、シリーズが進むごとに洗練されていく独特のストーリーと独特の世界観、そして世界観に強制的に浸らせてくるダンスと歌の魅力は計り知れません。実は「心を抉るポイント」はSLAZYのシリーズ全体でみると割と低めなんですが、4作目と近々DVD発売予定のAnother Worldは結構抉ってきます。

Club SLAZY The 4th invitation~Topaz~ [DVD]

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おんすて・おんTV真夜中の弥次さん喜多さん

今年私が最もきゃーきゃー言ってた作品。しりあがり寿さん原作のストーリーはさすがの一言なんですが、とくにおんTVの8話から10話の辛さがすごい。そこまでがたいへん明るくてお馬鹿でかわいい話ばっかりでしたからね…。演者さんたちの表現力もものすごい。愛することとか、愛する人をうしなうこととか、その周辺の感情をすごく繊細に表現してくるので、心抉られまくりです。意味わかんないへんな世界観度は最高レベルだと思います。世界観に浸れるかどうかはまた別ですが、弥次さん喜多さんをずっと見ていたいという意味においてはめっちゃ浸れる作品。もーかわいい。

 

2.5次元(生執事のリコリスと、刀ステ)

 2.5次元ならこの2作。リコリスはほんとは全体的には初演のほうが抉ってくる度はすごいんですけど、再演もまとまりがあって好きです。(推しのダンスが長くなっているし)
マダムレッドの歌のすごさと感情表現がとにかくすごくて、憎しみも愛しさも、すべてダイレクトに心に伝わってくるんですよね…。私の再推し、グレル役の植原たっくんと一緒にいるシーンがまたよくて…。似た者同士の二人のいびつな関係性が伝わってくる感じの演技がね…。

ミュージカル黒執事-地に燃えるリコリス2015- [DVD]

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 刀ステもよかった~。TRUMPシリーズに引き続きまたしても末満さんの演出&脚本作品。原作の世界を保ちつつも、刀剣男子たちひとりひとりの思いを掘り下げて、しっかりと描いているからこそ心揺さぶられます。

 

改めて、はまれる作品の法則とは

こうして並べてみると「世界観に浸れる度合い」っていかに現実を忘れられるかっていうことで、「心の抉られ度合い」はつまり感情の揺さぶられ度合いのことなのかなあ、と思いました。
しかし、「心の抉られ度合い」が好きな作品に関わるのってちょっと不思議。死や愛しい人と引き離される展開や、後悔、執着…負の感情のはずなんですけれどね…。なぜかそういったものに惹かれてしまいます。そういう激しい負の感情から、必ずしも救われなくてもいいんですよね…。
激しい負の感情の裏側に、激しい正の感情も感じ取ることがあって、その純粋さにうつくしさを感じるっていうこともありそう。死にたい気持ちの反対は生きたいきもち、憎しみの反対は愛、狂気の反対は…なんだろう?
負の感情って、実際体験したいものではないんですけど、そういうものに惹かれる気持ちってみんなどこかにあるんだろうと思います。だからこそTRUMPシリーズが絶賛されるんだろうな…。もうすぐ今年も終わりますが、来年も心抉られる作品に出会いたいものです。