七転び八起き

ハロプロと観劇と、恋人のキツネさんとの同性同士の同棲生活のこと。

LGBTのBが家を買った体験記 ①

自分でも驚くことに、家を買ってしまいました

今年の夏、家を買いました。
驚いた…。もう夏が終わって秋だよ…。季節が変わってしまった…。
家を買ってからの2ヶ月間は、パートナーのキツネさんと2人でひどい風邪を引いて寝込んだり、資格試験があったり、仕事があまりにも厳しい状況だったりしたので、とても大変で。
だから、つい先週引っ越してきたばかりのような気がしてしまいます。

わたしは、まだ31歳の女性です。
家を買うには、一般的には少し早い年代かなと思います。特に、自分1人の名義で家を買うのならば。
パートナーと暮らす家を買うことは長年のわたしの夢でした。
夢に描いていた場所や状況とは違いましたが、ひとつの夢が叶ってしまいました。今でも、信じられない気持ちです。

せっかくなので、LGBTのBであるわたしが、同性パートナーのキツネさんと暮らす家を買うことになった経緯や、同性パートナーと暮らす人の視点で思ったことについていくつかの記事で書き残してみたいと思います。

 

家を買うことになったきっかけ

家を買うことになったきっかけは、キツネさんが「近所にこんな家が出てるよ~」と物件情報の記事を送ってくれたことでした。二人とも、実際には引っ越しはしなくてもお家の間取りを見るのが楽しいタイプの人間でした。なのでお互いに物件情報を時折暇つぶしに眺めていて、この時も、本気で家を買うつもりなんてお互いに、全くなかったんです。
ただ、当時わたしたちは賃貸物件で4年ほど一緒に暮らしていて、「引っ越したい病」に罹患していました。
都会のマンションは、正直言って狭くて高い。それでも周辺の物件の中では安価で管理が行き届いていて、住みやすい場所にある家に住んでいたのですが、もうすっかりその家にも飽きていて、致命的な不満があるわけではないものの小さな不満や不便が心に降り積もっている状況でした。
定期的にやってくるんですよね、「引っ越したい」病。
その根本には、わたしたちが2人とも田舎の一軒家で幼い頃から育ってきたことが影響していると思います。
広々とした空間や植物を育てられる庭があること、本を好きに買っても収納する場所があること、日記や手帳に向かい合える机があること、その気になればDIYで壁の色を変えたり模様替えをしたりできること……そういった、過去に経験した広い住宅のメリットが忘れられなかったのです。

(↑以前も書いていた家が欲しいというブログ)
そんなときにキツネさんが見つけてきた物件広告。
「買うなら庭のある家」という条件にはあてはまらないものの、そのほかのすべての条件を満たした物件でした。
中古ながら築浅で、2人それぞれの部屋を持てて、お風呂が広い。車を持たないわたしたちには必要のない駐車場はついていなくて、その分の広さがあって。
そしてかなり良心的な価格。今の家賃と同じくらいのローンで買うことができそう。(最近は多くの不動産情報サイトで簡易的なローンシミュレーションもできて便利ですね。)
そしてなにより庭はないけれど屋上がある物件だったのが「とりあえず見にいってみよう」と思うに至った重要なポイントでした。

 

とりあえず見に行ってみた

そうしてとりあえずわたしが、余裕のあるタイミングで物件を見に行ったんです。
……これが、困ったことに、想像以上に良かったんですよね。
前の買い主さんは売却と当面の間住むことを目的として買っていたので、中古といえどもなかなかに綺麗な状態。
間取りも良い。屋上も広くて植物が育てられそう。
見た途端、心が浮き上がるような気持ちになりました。
不動産屋さんに周辺の相場とこの物件の安さについて聞いてみると、土地は借地で、自分のものにはならず土地代を毎月払わなければならない、土地付きではないから安い、とのこと。しかし土地代を加えてもまだ、その時住んでいた家の家賃とたいして変わらない金額でした。わたしたちは子供をもたないだろうと思われるので、家と土地を子孫に残す必要もないし、だったら安い方がいい。税金も土地の分、かからないし。

※ちなみに、駐車場がないことも安さの理由だったみたいです。駐車場がある家の方が高くなる傾向と不動産屋さんはおっしゃっていました。

 

家族にカミングアウトしていない同性パートナーであるわたしたちとっての、家を買うことの一番のメリット

そしてローンや初期費用について突っ込んだ話を聞いていくと、なんと、親にカミングアウトしなくても家を買えるということがわかったんです。
必要なのは、ローンを借りられる年収。ただこれだけでした。
このシンプルさ。なんて素晴らしいんだろうと思いました。
わたしは過去にパートナーと住む賃貸物件の保証人を親に頼んで「そんなわけのわからない友達とルームシェアをするために保証人になりたくない」とごねられたことがありました。引っ越しをするにしてもこれが大きなネックで。あの嫌な思いや、それを避けるために保証会社に余計なお金を支払うことを、家を買ってしまえばもうしなくていいと思うと、俄然家を買う方に心が傾きました。

(↑ふたりでルームシェアを始めた時のことを書いた記事)
ただひとつ、結婚している男女カップルと異なるのは、ペアローンを組めないこと。純然たるどちらか1人の収入で、ローンを組まなければならないのです。当然、ローンを返し続ける負担もリスクも、片方の肩にかかってきます。たとえば片方から家賃みたいな形で資金的には補助をしてもらうとしても、書面上は片方のみの持ち物ということになっているので。一方で、ローンを負っている方が亡くなった場合、もう片方はその家について何の権利もなくなり、出て行かなければならない場合もあります。(わたしたちも公正証書や遺言状でそういった場合に備えるつもりです。)
それでも、わたしたちには、誰にも気兼ねせずに安心して手続きをして安定して住み続けられる家が必要であるように思えました。
あと10年弱経てばわたしたち2人とも40歳を超えます。40歳を超えて女二人が「ルームシェアをする」というのは、理解してくれる不動産屋さんが増えてきたとはいえ、厳しい。もしかすると老後は家を貸してくれるところがなくなるかもしれません。LGBTに優しい不動産屋と名乗っているところでも、変なところもあるみたいですし…。

(↑以前そういうところにひっかかって嫌な思いをした体験記)
だったら今家を買っておいて、家賃としてただ消えていく形でお金を使うより、多少のリスクを負ってでも家を買いたい。必要に応じて売ればお金にもなるし、そうしたらまた別の家を買うことができる。お金があればたいていのことはなんとかなる。幸いにもその物件は、何年たってもおそらく売れるであろう立地に建っていました。そして、何度か転職して仕事を頑張ってきたから、わたし一人でもギリギリローンを組めるくらいの年収がありました。だからこそ、いいと思える物件に出会えた今、踏み切るべきでは、と思ったのです。

 

続く。